「あっと言う間の卒業だったな。いつかまた会えるといいな。…何、戻ってくるよ、8月30日を忘れない限り」
国上凱はそう言って、二度と町には戻らなかった。都会で彼を見かけた人に曰く、窮屈そうに原付に乗って営業に回っていた、夜の街で黒服をしていた、昼間から図書館にいた、など。彼にとっての故郷は、帰る場所ではなく懐かしむ場所になってしまったのかもしれない。【ノーマルエンド】

「どうした、変な顔して。いなくなると思った？　うん、就職したし、まだいるよ。ここに。…え？劫蓮寺に就職したから…。言ってなかったっけ？　悪い」
国上凱は、髪の毛一本ほども悪いと思ってなさそうな顔で笑った。筋肉寺にマッチョの坊主がまた増える。【友情エンド】

「へえー、そうか。結婚したのは知らなかった。元気にやってるんだな。おめでとうって伝えておいてくれ。俺はいいよ、たぶんあの頃、彼女のこと好きだったし」
俺にも恋した頃があったんだな、と国上凱は笑う。二人分のアイスコーヒー代と民間警備会社の肩書付きの名刺を置くと、背広を手に踵を返した。それが、最後の会話だった。【恋愛エンドA】

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闇ifじゃなくなってしまったので普通に分岐EDっぽくしました。
友情エンドは恋愛せずに親友ができた場合とか。
恋愛エンドAは告白せずに卒業して町外に就職した場合ですが、この民間警備会社は
湖に襲われるやつだと思う。どこかでモブとして死にました。